双子ですけどなにか?【修正終わりました】


メガネが彩花を傷つけるか心配だと?

その根拠が知りたくて追求すると、三井は困った顔をした。


「彩花ちゃんに聞いてない?」

「もしかして、メガネが元ヤンだって事か?」

「あー、それは知ってんだ」

「他に、何かあるのかよ」


三井は眉をひそめて、言うか言わないか考えた後、遠慮がちに口を開いた。


「間宮はさ、今まで……誰より一番に、里美が大事だったんだ」

「……はぁ……?」


何でいきなり里美の名前が出てくるんだ。

大事って……?


「幼なじみだからか?」

「うん、そんなようなもの。恋愛感情じゃないから、アニキも心配しないでほしいんだけどね」

「なんだそりゃ」


そういえば、里美から過去の話はほとんど聞いた事がない。

メガネの名前など、ほとんど会話に出てこないのに。


「今のその一番が、彩花ちゃんなら良いんだ。だけどアレは、そう簡単に覆らないと、俺は思う。それだけあいつらの絆は強い」

「わけわかんねぇ……」

「だよね……とにかく、もし里美と彩花ちゃんが衝突したりしたら、間宮は里美を取るかもしれないって事。彩花ちゃんを傷つけてでも」


頭が痛くなってきた。

メガネだけは、彩花を守ってくれると信じていたいのに。

しかも三井は、二人の絆がどんなものか話す気は無いようだ。

俺は何とか自分なりの結論を導いた。


「……衝突させなきゃ良いんだろ。俺が見張ってる」

「……うん、そうだね」


三井は困ったように、ふにゃりと笑った。そして。


「もうひとつ、心配なのは……」


とこぼした。

こっちの方が、わかりやすい大問題だった。


「俺が間宮のものを取りたいように、間宮も俺に対抗意識がある。俺が狙ったものを、横取りしたかっただけだとしたら……間宮は最初から、彩花ちゃんを好きじゃなかったって事になる」

「……!」


三井の言葉に、胸をえぐられるかと思った。

まさかそんな……。


「……っざけんな、そんな事があってたまるかよ……」

「本当の事は知らないよ。ただ、心配なだけだから」

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