双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「っせぇな……」
時計を見たら、午前11時。
結局昨日はよく眠れなくて、日曜なのをいい事に、朝方から寝ていたのに。
一階から、彩花のけたたましい笑い声が響いてきて、俺を眠りから覚ました。
「クソ……」
友達が来るって言ってたっけ。どうせヒナだろう。
うっせぇなぁ、女ってやつは。
まだぼんやりする頭を抱え、部屋着のまま部屋を出る。
腹減ったから、何か食おう。
「ユキ」
一緒にベッドで丸くなっていたユキが、足元にすりよった。
「お前も行くか?」
にゃぉ、と返事をして、ユキは先に階段を降りていった。
俺はその後を、ゆっくりついていく。
パンか何かあったっけ。
今日は両親とも外出だって行ってたな。
なんて、完全に油断したまま、階段を降りた。
そこから見えるリビングに彩花と一緒にいた友達は、かなり意外な人物だった。
その小さな頭は、間違いなく里美のものだったんだ。
「……ぎゃっ!!」
驚いた俺は、階段を踏み外し、5段落ちた。
「何やってんの、晴人。遅いよ」
彩花が階段まで出てきた。
「ななな、何であいつがいるんだよ!」
小声で問うと、彩花はニヤリと笑った。
「最近お世話になったから、お礼よ、お礼。ほら、早く顔洗ってきなさいよ」
「はぁ!?」
「きったない部屋着。見られる前に着替えたら?」
それもそうだ。
俺はバタバタと洗面所に走り、顔を洗い、髪を整えた。
それから二階に戻り、ボロボロなジャージから、まだましなパーカーに着替えた。
そして、急いでリビングに行くと。
「……何見てんだ、お前等ああぁぁ!!」
俺が怒鳴り声をあげても、二人は全く怯まず、笑顔でおはよう、と笑った。
その前のテーブルには昔のアルバムがどっさり広げられていた。
テレビからは、まだよちよち歩いている俺の映像が流れている。
「彩花、テメェ!」
「いいじゃん、別に」
良くねえよ。
今の俺からは想像もつかない、ぷよぷよの赤ん坊が鼻たらして笑ってる写真を見て、里美はクスクス笑っている。
「か、可愛い……」