双子ですけどなにか?【修正終わりました】
里美は完全に、爆笑をこらえた笑い方をしていた。
「彩ちゃんは、赤ちゃんの時から美少女だね。晴人くん……ぷくぷく……目、細っ……ふふふふふ」
「んあぁ!お前なぁ!来るなら来るって言っとけよ!」
アルバムをひったくると、里美はぽかんとした顔をした。
「え?彩ちゃんが、言っておくって……」
「は?」
テレビの前の彩花を二人で見ると、彼女はにたり、と笑った。
「ふふん……サプライズでしたっ♪」
「えっ、そうなの?」
「彩花ぁ!あ、うわ、テレビ消せっ、テレビ!」
ヤツの後ろのテレビでは、ちょうど3歳くらいの俺が、風呂上がりに全裸で陽気に踊っている映像が流れた。
「ぎゃははは、晴人、バカでやんの!」
「お、踊ってる……。可愛いお尻……ふふ、ふふふっ……」
「だあぁああぁ!!」
彩花からリモコンを奪い、テレビを消す。
思い出の品を全て物置にしまうと、やっと二人の笑い声がおさまった。
里美に見られた……。
NICU(新生児集中治療室)で、ケツから体温計入れられた写真まで見られた……。
……死にたい……。
ぐったりしていると、彩花が追いうちをかけるように、声をかけてきた。
「じゃああたし、そろそろ出かけるから」
「……はっ?」
「今からデートだから。夜には戻るよ。じゃあお二人さん、仲良くね~♪」
「ええっ!?」
「ま、待て待て!」
家にいるにしては、顔や服に気合いが入ってると思ったが。
いきなり、何を言い出すんだ。
「アホか!客を呼んでおいて、失礼だろうが!」
「えぇ、違うもん。里美先輩がユキに会いたいっていうから、お招きしただけだもん。ユキと晴人がいれば問題ないじゃん」
「そ、そんな、彩ちゃん……」
「じゃ、先輩、晴人、ごゆっくり!さよなら!」
「コラァ、テメェ!!」
戸惑う俺達の方をいっさい振り返らず、めかしこんだ彩花は、全力で走っていってしまった。
……なんてこった……。
お礼って、お前……。
玄関でぽかんとしていたら、ポケットの携帯が鳴った。
彩花からのメールだ。