双子ですけどなにか?【修正終わりました】
『晴人の好きなものが、これしか浮かびませんでした。どうぞ心ゆくまでご堪能ください♪先輩、未経験みたいだから、優しくしなきゃダメだよ。感想教えてね♪兄孝行な妹より☆』
「……あんの、ドアホぉぉぉぉ!!」
思わず怒鳴ると、里美が携帯をのぞきこもうとする。
「なに、何だって?」
「いい、見なくていい!」
慌ててそれをしまい、頭をかいた。
目の前には困った顔で、俺を見上げる里美がいる。
俺はため息をつき、彼女をリビングに戻し、ユキを連れてきた。
「わぁ、ユキちゃん!久しぶり!」
「ちょっと遊んでろ。部屋片付けてくる」
「あ、うん……」
俺は二階に駆け上がった。
部屋に散乱する制服や鞄を、クローゼットに押し込める。
掃除機をかけ、ベッドの下のエロ本は、絶対見えないように思いっきり壁側に突っ込んだ。
布団をなおし、脱ぎっぱなしのジャージを持って一階に降り、洗濯機に放り投げた。
リビングをのぞくと、里美は笑顔でユキと遊んでいる。
その嬉しそうな顔を見て、ほっとした。
普通にすれば、大丈夫だ。
二人きりだと思うと、妙に緊張してしまう。
もちろん俺達に、キス以上の進展は、今のところない。
だから、余計に……。
彩花のバカなメールで、あおられてしまう。
別につきあってんだし、良いんじゃねぇか?
そんな事を思ってしまう。
里美を、大事にしたいのに。
そんな事をするためにつきあってると、思われたくない。
ダメだ、普通にしろ。
普通にだ。うん。
「掃除できたけど」
「うん。ごめんね、急に来て」
里美も何も警戒するでもなく、ユキを抱いてにこりと笑った。
良かった。里美が緊張すると余計に意識してしまう。
俺達はゆっくり階段を上がり、部屋に入った。
「お邪魔します」
「狭くて悪いな」
俺達の足元を、ユキがちょろちょろする。
「つっても、特にやる事ねぇんだけどな」
「ううん、ユキちゃんに会えただけでじゅうぶん」