双子ですけどなにか?【修正終わりました】


そう言って、そっぽを向いてしまった。


「あぁ……?」


里美は、反応しない。

膨れて、そっぽを向いたままだ。


「お前今、なんつった……?」

「……晴人くんが、先にわけのわからない事、言うからじゃない」


のどかな日曜の昼の空気が、一転してはりつめる。


「妹を心配して何が悪いんだよ」

「幼なじみを弁護して、何が悪いの?」


売り言葉に買い言葉。

らちが開かない。

忘れていたが、里美は本当は、気の強い女だった。

これじゃ体育祭の時より、状況が悪い。


「……もういい。やめよう。変な事言って、俺が悪かった」


俺はこの状況を早く脱したくて、不本意ながらも、自分から折れる事にした。

だが里美はそっぽを向いたままだ。


「なぁ」


しょうがないから、手で里美の肩をつかみ、無理矢理体の向きを直す。

すると里美は、必死で涙をこぼさないように、唇を噛んでいた。

あぁ、もう。

何でそう俺の胸をしめつける。


「俺が悪かったって、な?」

「……」

「痛そうだから、離してやれ」


怒りで赤くなった頬に手を伸ばし、親指で唇をなぞる。

すると里美は「ふぁ」と言って、くすぐったそうに顔を背けようとした。

だけど、俺はそれを許さない。

少しだけ赤く腫れた唇に、噛みつくように口づけてやった。


「っ……」


里美の小さな手が、俺の服の胸をつかむ。

唇を離して顔を見ると、今度は怒りとは別のもので真っ赤になっていた。

少しホッとして、頭をなでる。


「今はたまたま、彩花が弱ってるから心配なだけで……。俺の一番はお前だから。な?わかったか?」

「……うん……。ごめんなさい……意地悪を言いました」


里美は小さな声で言って、うなだれた。

……そうか。

俺が素直になれば、里美も素直になれるのか。

今更だが、心臓がドクドクと脈打ちはじめた。


「ほれ」


里美の小さな手をとり、自分の胸にあててやる。

この固い体に、柔らかな手で触れた彼女は、きょとんと俺を見上げた。


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