双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「こんなになるの、お前といる時だけなんだ」
彼女は手に意識を集中し、俺の鼓動を確かめると、嬉しそうに、ふにゃりと笑った。
「やっと笑ったな」
「うん、だって……すごくドキドキしてる……」
「なぁ。笑えるよな、こんな見た目で」
「違うよ……」
「ん?」
「私が、ドキドキしてるの。嬉しくて……」
へへ、と里美は照れて笑う。
そのせいで、俺の鼓動は一層早くなってしまった。
しかし里美は気にせず、違う感想を口走る。
「かたいね……胸」
「男だからな」
「そっか、そうだよね……。すごいなぁ……全然違うもん……」
何がすごいんだか知らないが、あまりあおらないでほしい。
ではお前の方はどうなんだ、と。
興味が理性を越えてしまうじゃないか。
俺は自分の胸を這う手を離させる。
そして。
もう触れないように、里美の両脇から腕を伸ばし、体を拘束する。
すると彼女はその細い両腕を、俺の首に回した。
重なった胸から、どちらのものともつかない、激しい鼓動が伝わってくる。
「……やべ……」
「えっ?」
「……理性飛んだ」
「えっ、ええっ?」
顔を上げた彼女に、もう一度キスをする。
突然の事に目を見開いていた里美も、やがてまぶたを閉じた。
いつも駅でする、彩花に見られた、触れるだけのもの。
それを何度も重ね、激しさと熱が加速していく。
俺の舌で口内に侵入された里美は、ぴくりと体を震わせた。
苦しいのか。
そうしてようやく唇を離すと。
里美が真っ赤な顔で泣きそうになっている。
「ワリぃ……嫌だったか」
突然自己嫌悪に襲われて、少しだけ体を離した。
しかし里美はふるふると首を横にふった。
「……ううん、嫌じゃない……」
蚊の無くような小さな声は、すぐに天井に消えていった。
ただそれだけで、俺の理性はさらに剥がされていく。
恥ずかしさのせいか、目を合わせない顔を無理矢理上に向けさせ、また同じキスをした。