双子ですけどなにか?【修正終わりました】


それに次第に溺れていく彼女の胸に、軽く触れた。

それは優しく柔らかで、確かに俺のものとは全然違う。

しかし触れた瞬間、彼女は激しく身をよじらせた。

唇を離すと、すぐに拒否の言葉。


「だだだ、ダメ……っ。恥ずかしくて、死んじゃうよぉ……っ」

「……何だよ、自分だけ触っといて」

「ごめんごめんごめん、許して……っ」


涙声になった里美がさすがに可哀想になってしまい、手を離した。

それで力が抜けたのか、里美が頭を俺の肩に預けてくる。


「大丈夫だって。悪かった。もうしない」

「ご、ごめん……本当にごめんね……今日は、こ、心の、じゅじゅ準備が、ですね……すみません、ごごごごめんなさい」

「わかった、わかったから」


緊張と恥じらいで、壊れた玩具のようになってしまった里美が愛しくて、優しく抱きしめ、頭をなでた。

良かった。

俺の中に、まだ理性が残ってて。

里美を大事にしたい気持ちを、欲望が上まらなくて。


「……次までに、準備しとけよ?」

「は、はいっ!……え?えええっ!」

「今、返事したよな。はいって言ったよな。よし、楽しみにしておこう」

「うわ、つい、あわわ……」


もぉぉ、とうなだれた里美の頭から、オーバーヒートした蒸気がぷしゅうと出た気がした。



……今日は俺の勝ちだな。

余裕で歳上をいじめてやった。

いや、本当は余裕なんかない。


本当は俺だって、ものすごく緊張していた。

それを隠す為に、くだらない話を日が暮れるまで、一日中した。

たまに、一層愛しくなった彼女に、キスをしながら。

< 324 / 429 >

この作品をシェア

pagetop