双子ですけどなにか?【修正終わりました】
選挙前日。
さすがの彩花も緊張しているようだ。
「晴人ぉー入るよー」
ヤツは何の遠慮もなく、部屋の中に入ってきた。
「ねぇ、明日の髪型だけどさぁ、アップとダウン、どっちがいいかな?」
「はぁ?そんな事より演説の内容を考えろよ」
「それはもう大丈夫なの。ねぇ、どっちがいい?」
知らねぇよ……。
でも彩花に頼られると、無下にはできない。
産まれつきの悔しい習性だ。
「……ポニーテールが、顔がよく見えて良いんじゃねぇか?」
「そっか。そうだね」
彩花は、産まれつきの栗色の髪を手でまとめるような仕草をした。
先輩の髪は、真っ黒だったな。
……いかん。本気でおかしい。
俺は、先輩を好きなのだと認める前に、彩花に聞きたい事があった。
「……彩花、お前好きなやつ、いるか?」
「いるよ。悪い?」
うおっ、あっさり答えやがった。
しかしそれは予想通りの答えだった。