双子ですけどなにか?【修正終わりました】


涙で視界がぼやけた世界に、私は背を向けた。


要らない。

帰れ。


その冷たい言葉に背中を押されるように、私はその場から逃げ出した。


どうして……こんな、簡単に……。

私はそんなに、不要な存在なの……?


優しくしてくれたのに。

意地悪も、したのに。

少しずつ、近づけていると思ってたのに。

一緒に大人になれると、信じてたのに。


産まれた時から、常に誰かと比べられて。

中学の時は、周りに無視されて。

ずっとずっと、寂しくて。

自分の価値なんか、本当はわからなくて。

そんな私でも、やっと。

ちゃんと私を見てくれる人に会えたと思ったのに。



健先輩。


大好きなのに。

こんなに、大好きなのに。


私は、もう、要らないんですね。



< 345 / 429 >

この作品をシェア

pagetop