双子ですけどなにか?【修正終わりました】
くそ、おもしろがってやがる。
俺は、半ばヤケクソで答えた。
「気になる人は……いる。
でも、お前にシンクロしただけかもしれねぇ。
たまたま同じタイミングで会ったから、そう勘違いしてるだけかも……」
そうだ。
顔を思い出すだけで、胸が苦しくなるなんて……こんな不思議な感覚、俺は知らない。
「はぁ?何キモイ事言ってんの?」
俺の考えなんかお構い無しに、彩花が否定する。
ずい、と前のめりになり、俺の目をのぞきこんだ。
「あんたは、本当にその子が好きなんだよ」
きっぱりと、彩花は言った。
「シンクロなんか、昔の事じゃない。同じ人を好きになったなら、まだしも」
「キモイ事言うな。好きな奴がかぶるわけねぇだろ」
「だから!シンクロじゃ、ないんだよ」
彩花はバシッと、俺の頭を叩いた。
「いて!」
「いい?双子だっつっても、うちらは違う人間なんだよ。
タイミングはかぶっても、その人にひかれる気持ちは、違うの。
晴人の気持ちは晴人のもの。
私の気持ちは私のもの。
今更双子を言い訳にして、逃げてんじゃないよ!」
強気な瞳は、まっすぐに俺の目をにらむ。
俺の気持ちは俺のもの。
そんな当たり前の事を言われ、妙に納得してしまった。