双子ですけどなにか?【修正終わりました】
次の日、彩花は頭が痛いと言って、学校を休んだ。
俺も頭が痛い。気分も悪い。
だけどメガネに一言言ってやらなきゃ、気が済まない。
重たい頭を何とか起こして学校へ向かって、昼休みにメガネのクラスへ行くと、教室中がザワリとした。
「おいメガネ、ちょっとツラ貸せや」
そんなヤンキー丸出しの呼び出しをしてしまったからかもしれない。
しかしメガネは冷静な顔で、廊下に出てきた。
もう寒くなってきて人がいない屋上に、俺達は移動した。
「……で、なに?」
「なに、じゃねぇだろ。彩花が要らねえたぁ、どういうこった」
上から見下ろされたメガネは、はぁ、とため息をついた。
「プライベートに踏み込むなら、って話だよ」
「それだ。一体何がいけねぇんだよ。里美のピンがお前の部屋にあったんだ。そりゃ彼女としては気になるだろ。やましい事がないなら、説明してやりゃ良いじゃねぇか」
「そうやって、僕は彩花に洗いざらい全部しゃべらなきゃならないのか?」
メガネは眉をひそめた。
「キミだって、里美が彼女だからといって、過去の事を何でも話せるか?中学時代の悪さも、全て」
「それは……」
確かに、言いたくない事もある。
中学時代は、バリバリのヤンキーだった俺の暗黒時代だ。
「大体、キミが今回の騒動の一因なんだからな。そんなキミに説教される覚えはないね」
「はっ?俺?」
何だって?騒動の一因?
「……聞いてないのか?」
メガネは驚いた顔をした後、呆れた目で俺を見た。
「……それで、自分の彼女のフォローもせずに、妹が妹がって騒いでるわけか」
「んだと、コラ」
「話にならないな」
鼓動が早くなり、変な汗が背中をつたう。
彼女のフォロー?
里美に、何かあったのか……?
「だからおめでたいって言うんだよ、お前みたいなやつを」
そう冷たい声で吐き捨てたメガネは、前に一度だけ見た、全く別の男だった。