双子ですけどなにか?【修正終わりました】


ごくり、と唾を飲み込んだ。

何だ、これは……

制服は長袖。髪型は今のまま。

ということは、最近の写真だ。

玄関を出ている写真は、その前の植木に当たる日光の様子から、朝だという事がわかる。


これは……。

制服で泊まって、朝一緒に出てきたという事か?

しかも、写真に写っている玄関は、一度送っていった里美のマンションじゃない。一戸建てだ。

という事は、メガネの……。


「晴人くん……」


ヒナの声で我に返る。


「……誰にも言うな。彩花にもだ」

「……うん……」

「じゃあな」


そのまま捨てていくわけにもいかず、俺はその写真を封筒ごと、ポケットに突っ込んだ。

ヒナの顔も見れず、外に視線を移した時。

下駄箱の影に、知っている人間を見つけた。

外からの風に、そのロングヘアが肩から背中に流される。


「美奈子ちゃん……?」


ヒナが小さく名前を呼ぶと、彼女は何も言わずに去っていく。


「まさか、美奈子ちゃん……」


ヒナが眉間にシワを寄せる。

美奈子が、この封筒を下駄箱に入れたと言いたいのだろう。

チャイムが鳴って、美奈子はあっという間に廊下から消えた。


「晴人くん、知ってる?」

「何が……?」


頭が痛い。何も考えたくない。

しかしヒナは突然、衝撃的な言葉を吐いた。


「里美先輩も、嫌がらせされてるの」

「あぁ……?」

「部活の先輩が言ってたんだけど、悪口を書いたビラみたいのが、回ってきたんだって……あたしは実際に見たわけじゃないけど」


知らなかった。

頭痛がひどくなって、鼓動が苦しいくらい早くなる。


「里美先輩が、ろくでもないヤンキーとつきあう、尻軽女みたいに書かれてるんだって……」

「何だと……?」


もう、何と返していいかわからない。

ただ言葉の意味を理解するのに精一杯だった。


「里美先輩や彩花にそこまで恨みを持つのって……」


ヒナは言葉尻をにごす。


「美奈子だって、言いたいのか……?」

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