双子ですけどなにか?【修正終わりました】
怒りが沸いてくる。
血が沸騰する。
「……ヘアピンは?いつあいつの部屋で落とした?俺とつきあう前に、もうなくしてたんだろ?」
里美はハッとした顔をする。
彩花から聞いた事を察したのだろう。
この頭の良い恋人は、バカな俺を裏切る事など、きっと容易い。
「それくらい前……もっと前から、メガネの部屋に出入りするような仲だったって事だな」
「それは、幼なじみだから……」
「だからって、男の家に泊まるなよ!!」
声を荒げると、里美は涙を溢れさせた。
ふざけんな。
泣きたいのは、こっちだ。
「何にもないわけ、ねぇだろ……ガキじゃねぇんだから」
一歩体を近づけると、里美は一歩後退りした。
「違う、本当に違うの。全部話すから……っ」
里美の声が途切れる。
俺が力ずくで、その体を抱き寄せたから。
「……何が、恥ずかしいだよ……」
「晴人くん……っ」
なんとか逃れようと身をよじるが、俺の力に敵うわけはない。
その小さな耳に噛みついてやると、里美は小さな悲鳴をあげた。
「本当はメガネのものだから、俺とはやりたくねぇのかよ」
「違う、違う、違う……っ」
「……じゃあ、俺のものになれ」
「……や、あ……っ!」
俺の手は無理矢理に、彼女の体をベッドに押し倒した。
大事にしたいと思っていた。
優しくしたいと思っていた。
だけど、今はもう、どうでもいい。
俺の下で必死にもがく彼女の唇を奪う。
何だか自分が本当に野獣になった気がする。
彼女は獲物。
俺を裏切った、怖いものしらずの小さな獲物だ。
その唇を離すと、里美の目からボロボロと、涙がこぼれるのが見えた。
「ごめんなさい、本当に、違うの。お願いだから、やめて……っ」
「……メガネとはできて、俺とはできねぇか」
「健くんとは、何もしてないったら……」
うるさい。
メガネの名をその唇が呼ぶ事さえ、苦しかった。
自分の中に、こんな嫉妬心があるだなんて、知らなかった。