双子ですけどなにか?【修正終わりました】
家に着くと、まず車庫を確認した。
息は乱れて、胸は相変わらず苦しい。
バイクがあるのを確認すると、すぐに二階に上がった。
両親はまだ帰っていないようだ。
「晴人、ただいま!」
晴人の部屋の戸をノックするけど、返事がない。
「晴人、生きてる!?開けていい!?」
何回も激しくドアを叩くと、やがてそれはゆっくり開いた。
「……早かったじゃねぇか……」
晴人はいつもの顔で、のっそりと言った。
その腕の中には、ユキがいた。
そのままのっそりと、部屋の奥に戻っていく。
私もそのあとに続いたけど、今日来たはずの里美先輩の姿は、なかった。
「ねぇ、晴人」
「なんだよ。ヒナと喧嘩でもしたか?早すぎるだろ」
いつもと同じ口調。
でも。
「違うよ……」
まだ、胸が痛い。
「……里美先輩は……?」
「なんだ、あいつに用があったのか」
晴人はユキの背中を撫でながらうつむいて、静かに言った。
「悪いな。あいつはもう二度と、ここには来ねぇよ」
その声は、震えてはいなかったけど、いつもより低く、悲しく響いた。
「何で……もしかして、ヒナが言ってた写真の事で……?」
「あぁ、なんか違う違うって言ってたけど、どうだかな。悪い、最後まで聞く前にキレちまって。帰れーって、脅してやった」
こっちは泣きそうなのに、晴人は苦笑した。
自分自身を嘲笑うように。
その切れ長の目をよく見ると、やっぱり、少し腫れていた。
「無理しないでいいよ」
「アホか。清々したわ」
「嘘ばっかり……」
じゃあなんで、この胸がこんなに痛いの。
痛くて苦しくて、涙が溢れてくる。
「……おい、何でお前が泣くんだよ……」
晴人が困った顔をする。
言い返そうと思ったら、ポケットでスマホが震えた。
通話ボタンを押すと、ヒナの声が聞こえてくる。
『ちょっと彩花、大丈夫?ちゃんと家に着いた?』
「うん、大丈夫。だけど、大丈夫じゃない……」