双子ですけどなにか?【修正終わりました】
『私、和樹くん誘って行こうか?』
「ううん、いい……今から晴人と、海に行くから」
「はぁ?」
突然自分の名前が会話に出てきて、晴人は目を白黒させる。
『ちょっ、彩……』
ヒナは何か言いかけたけど、私はスマホの電源を切った。
「行こう、晴人」
「はぁ?マジで言ってんのか?」
「そうだよ。悲しい時は、海。これは武内家の決まりごとにしよう」
「なんだそりゃ」
腕を引っ張られた晴人は、困った顔で笑った。
そして、ようやく立ち上がる。
「しょうがねぇな、つきあってやるか」
「はぁ?私があんたにつきあうんでしょ?」
「へぇへぇ。バイクで行くか?」
「うん!」
こうしてあたし達は、海へ向かった。
バイクの後ろで、晴人の背中にしがみつく。
その温かさに、健先輩と自転車の二人乗りをした事を、遠い昔の事のように思い出した。