双子ですけどなにか?【修正終わりました】


私が目を見開くと、晴人は私がしがみついていた腕をほどいて首に回し、自分の胸に私の頭を引き寄せた。

泣き顔を見られないように。

晴人はそのまま、話し続ける。


「……『怖い』んだってよ……」

「晴人……」

「わかってんだ。あんな事をした、俺が悪かった」

「…………」

「それでも……キツイ……。あいつだけには、言われたく、なかった……」


晴人の胸から、痛みが伝わってくる。

中学からずっと、怖いと言われて周りに避けられて。

本当は孤独だった自分を初めて受け入れてくれた好きな人に突き放された、とんでもない痛みが。


「俺も……あいつの事……すげぇ、好きだった……」


震えた声はそれを最後に、乱れた息の音だけになった。


「泣いてんじゃん……」

「泣いてねぇ。泣いてたまるか」

「泣いて良いんだよ……」

「うっせぇ……っ」


嗚咽を堪えるように、晴人の奥歯を噛む、ギリギリという音が胸をしめつけて、私が代わりに、声を上げて泣いた。


私達は、空が真っ暗になるまで泣き続けた。

立っていられなくなりそうなお互いの体を、支えあって。

隙間を無くした体の奥の心まで、近くに寄せあって。


何であたし達は、今まで離れてたんだろう。

こんなに近くに、お互いの魂があったのに。


ねぇ、晴人。

私達はきっと、もともとは1つの命だったんだね。

それを分けあったから、二人とも不完全で。

不器用で、バカで。

だから、大嫌いだったけど。

でも、今は何より愛しいよ。

孤独を分けあえる、その魂がある事が。

ここに、2つの魂が寄り添っている事が。

何より、愛しいよ。

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