双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「無理すんなよ」
「そっちこそ」
明くる日の朝。
私達は、見事に風邪をひいた。
3日後に熱は下がったけど、二人とも鼻水ズルズルで、声はガラガラだった。
それでも3日も休んだのだから、いい加減に登校しろと、お父さんに言われた私達は、一緒に家を出て、一緒に登校した。
まるで、あの写真の健先輩と里美先輩のように。
全然知らない人から見たら、海で抱きしめあってたのだって、カップルに見えたかもしれない。
晴人の怪我はだいぶ目立たなくなったけど、引き裂かれた耳の傷跡は見るも無惨だった。
「さぶっ……穴に風がしみるぜ」
その怪我でこりたのか、ピアスを全部はずした晴人の耳は、穴だらけだった。
それらが完全に塞がるまでは、もう少し時間がかかるだろう。
私達の心に空いた穴と、同じように。
もうすぐ校門が見えるというところで、知り合いに声をかけられた。
「武内兄妹!」
「三井じゃねぇか」
「アニキ、話そうぜ。一限サボってよ」
「はぁ、俺?彩花じゃなくて?」
「うん、アニキだよ」
三井先輩も気を使ってるのか、私の方はあまり見ない。
「何なんだよ。ここで言えよ」
「あー……いいの?里美の事なんだけど」
ピクリ。
その名前が出た途端、晴人の眉間に深いシワが刻まれた。
うわ、怖い顔……。
「……俺はもうあいつとは関係ねぇから。話す事はねぇな」
素っ気なく言った声は、ものすごく低かった。
三井先輩は困ったように、眉を下げる。
「いや、あのさ……」
「なんだよ、しつけぇな」
のしのし先に歩いていってしまう晴人を三井先輩と追いかけていたら、いつの間にか、下駄箱の近くにいた。
「オラ2年、ここは1年の下駄箱だぜ。さっさと消えな」
「アニキぃ、頼むから聞いてくれよ……」
そんな二人のやりとりを見ていたら、背中に視線を感じた。