双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「たけ…る…せんぱい……」


ハッとしてその顔を見たら、眠りについた長い睫毛から、透明な雫が落ちた。

ベッドについた小さなシミが、胸をしめつける。


俺じゃない……。

彩花を救えるのは、やっぱり、俺じゃ足りない。


悔しさを押し殺して、布団をその頬まで深くかけてやった。

布団がその細い体を包み、ぽふ、と頼りない音がした。

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