双子ですけどなにか?【修正終わりました】


次の日。

私は、久しぶりに制服を着て、晴人と学校に行った。

他人が、また指をさしてヒソヒソ言うのが聞こえる。

まだ怖いけど、負けるもんか。

涙はもう十分流したし、晴人が隣に居てくれる。

それに。

一番好きな人が、私を信じてくれている。

だから苦しくても、決着をつけなきゃ。



私達はまっすぐに、健先輩と待ち合わせた屋上に向かった。

健先輩が、先に犯人を呼び出す手順になっているから。

一歩一歩、階段を上っていく。

屋上に近づくたび、胸が、息が、苦しくなっていく。

それを感じたのか、他の生徒が見えなくなったところで、晴人が、手を握ってくれた。


大丈夫だ。お前の味方は、たくさんいる。

そう言っているみたい。


私はそのバカでかい手を握り返した。

私のために、健先輩を連れてきてくれた晴人。

犯人を、突き止めてくれた晴人。

一番好きなのは、健先輩だけど。

内緒だよ。

一番頼りにしてるのは、アンタだからね。


私は晴人に寄り添うように、階段を上りきった。


ついに、来てしまった。

この扉の向こうに、犯人がいる。

何度となく開けた扉は、今日だけは一段と、冷たく重かった。

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