双子ですけどなにか?【修正終わりました】
胸にモヤモヤとしたものが、たまっていく。
それが嫉妬だと気づくのに、時間はかからなかった。
「えっ?あはは、そうだね……」
先輩は困ったような、眉を下げた顔で笑いながら、頭をかいた。
しまった……。唐突すぎたかも……。
しかしあたしの心配をよそに、先輩は、次の瞬間。
「じゃあ……彩ちゃん、かな」
と、照れながら言ってくれた。
わぁ……。
下の名前を呼ばれただけなのに、何でこんなに嬉しいんだろう。
晴人に「彩花」って呼ばれるのとは、まるで違う。
胸の中がむずがゆい。
「……はい、間宮先輩」
「フェアじゃないな。僕も名前でいいよ」
えっ。
まさか、そんな事を言われるとは思わなかった。
「た、たける……先輩?」
「はい、何ですか?」
先輩は満足そうに、にこりと笑ってくれた。
すごい……。
さっきまでの緊張が、溶けてなくなってしまった。
きっとそれは、健先輩が本当に優しい人だから。私にまで、気を使ってくれるから……。