双子ですけどなにか?【修正終わりました】
和樹はニヤニヤした顔で話す。
「髪型とか、スーツとかさ」
「お世辞はいらねぇよ。ほら、待たせてて良いのか?」
「あ、そうそう。晴人を紹介してほしいっていう子がいるんだけど、連れてきていいかな」
「は?俺?」
和樹が視線を送った先には、まぁまぁ綺麗と言えなくはない女子がいた。
っていうか、ドレスに化粧だと、誰でもそれなりに見える。
そいつは友達につつかれて、もじもじしていた。
「あー……悪い。今日は遊びに来たんじゃねぇんだわ。どうしてもなら、メガネを通してくれ」
「えー……会長恐ろしいな……。また何か頼まれたの?」
「そう。俺の事は、生徒会に雇われた警備員だと思ってくれ」
和樹は承知して、戻っていった。
女子達にうまく話をして、その場から離れていく。
悪い事をしただろうか。
和樹はアホだけど良いやつだから、まだ前の恋を引きずってる俺に、気を使ってくれたのかもしれない。
三井もそうだ。
ほっといてくれりゃ良いのに。
良いやつは、お節介で困る。
「……?」
生徒会が集まってるテーブルが、何やら騒がしい。
もめ事だろうか。
まぁ、メガネがいるから大丈夫だよな。
傍観していると、彩花が駆け寄ってきた。
「晴人、ちょっと来て!」
「何だよ」
「病人が出ちゃったの!」
「はぁ?」
彩花に導かれるまま、そのテーブルの近くに行くと。
「げっ……」
うずくまった、小さな女がいた。
さっきは他の奴らに囲まれてて見えなかったのか。
それは生徒会の副会長、新川里美だった。
「熱があるな。大丈夫か?」
その額に手をあてたメガネが心配そうに言う。
「健先輩、晴人に送らせましょう。力だけはバカみたいにあるから」
「はぁ!?」
彩花の提案に、思わず声を上げてしまう。
メガネはそれを聞いて、うなずいた。
「すまない、それほど遠くないから……」
「知ってるけど……。お前が行きゃ良いだろ」