双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「またボーッとしてる」
「……だって……健先輩、今日どうしたんですか……意地悪しないで褒めまくるなんて……」
「……そういう可愛くない事言うと、おしおきするよ?」
ため息をつきながらも、健先輩は、その顔を徐々に近づけて……コーヒー味の、キスをくれた。
「おしおきって……前から言ってたけど、一体どんな事されるの?」
唇を離された隙に、聞いてみる。
すると、健先輩はメガネの奥から、意地悪な目をのぞかせた。
「……キミのお母さんには、絶対言えないような事」
その声が耳元で響いて、背中が震えてしまう。
「……もう良いです、聞いた私がバカでした……」
「そうそう。おしおきされるような事、しなきゃ良いんだよ」
「もう……」
それじゃ私は、健先輩に負けっぱなしじゃない。
頬を膨らませると、健先輩は面白そうに、それを指でつついた。
そして……。
いつの間にか、背中に腕を回されていた。
目の前には、健先輩のネクタイがある。
思わず顔を見上げると、また、キスが降ってきた。
触れるだけの、優しいキスが。
胸が壊れそうなくらい、ドキドキして。
気を失わないように、健先輩のシャツの胸を握りしめると。
優しいキスに、だんだん熱が生まれていく。
完全に私を中毒患者にした、健先輩の大人のキスだ。
まだどうしていいかわからず、息が絶えそうになった瞬間、深く重なっていた唇が解放された。
そして、甘い声が耳元で響く。
「……覚悟はできてる?」
そ、それって……やっぱり、そういう事だよね……。
心臓がバクバクする。本当に壊れそう。
だけど。
私はそうなっても良いとどこかで思ってるから、ここまでついてきたんだ。
健先輩となら……。
「……はい……」
私の返事は、自分で思ったよりも小さかった。
だけど、ありったけの勇気を出した。それなのに。
「えっ、本当に?意味わかってる?」
健先輩は驚いた顔でそんな事を言う。
私はその腕の中で、倒れそうになった。