双子ですけどなにか?【修正終わりました】
そう言うと、里美はとにかく座って、と俺をベッドに座らせた。
すると、視線が近くなる。
あぁ、久しぶりだ。
この大きな目も、鈴のなるような声も。
「晴人くん、誤解してると思うの」
「何を?」
「あの時、怖いって言ったのは……昔の事を、思い出したからで……」
里美が眉をひそめると、こっちもつられてしまう。
「……昔あった事は、聞いた。悪かった。あんな事して……」
「あ、謝らないで……。もう、全然、平気なの。優しくしてくれたら、大丈夫なの」
……こいつ、何言ってるか、自分でわかってんのか……?
「私の方こそごめんね、傷つけるような事言って……本当に申し訳なくて、なかなか連絡できなくて……翔くんに相談したけど、晴人くんが話を聞いてくれないって言われて……」
里美はだんだん泣きそうな顔になってきた。
「晴人くんが生徒会室で健くんに土下座した時、思ったの。何でこんなに優しい人を傷つけちゃったんだろうって。やっぱり私はこの人が好きだって」
何……なんて?
好きだって……?
「なのに勝手にさよならとか言って……。
あのあと、私がどれだけ泣いたか知らないでしょ」
里美は俺の目を見たまま、頬を膨らませた。
「……嘘だろ」
「嘘じゃないよ」
「……だって……」
「だってじゃないよ……」
突然、目の前が暗くなった。
体が温かさに包まれて初めて、自分が里美に抱きつかれている事を理解した。
朝風呂に入ったのか、かいだ事のないようないい香りがして、顔に柔らかい膨らみが触れ、心臓が踊りだす。
「バカ、離せ」
「やだ、許してくれるまで離さない……」
「許すも許さないもねぇって!頼む、理性がもたねぇから、離してくれ!」
そう言うと、さすがにビックリしたのか、手は首に回したまま、身体を離した。
「お前なぁ……同じ事されても、文句言えねぇぞ」
ため息をつくと、里美は泣きそうな顔をますます真っ赤に染める。
そしてまた、信じられない言葉をつぶやいた。
「言わないよ……」