双子ですけどなにか?【修正終わりました】
【晴人】
「ねえ……そういえば、里美先輩とは無事にできたの?」
「は!?ななななな、何聞いてんだよ朝っぱらから!」
「いいじゃん、教えてよ」
「うっせえうっせえ!」
ああうぜえ。
いくら恩人だとはいえ、そういうプライベートなことを根掘り葉掘り聞くなよ。
俺は大きな歩幅で、彩花を置いて先を歩く。
クリスマス翌日、俺は奇跡的に、親父にげんこつを一発食らっただけで済んだ。
それからは真面目に学校に通って、なるべく目立たないよう、トラブルにあわないようにしている。
今は順風満帆だけど、いつ何があるかわからないからな。
それにしても彩花は浮かれっぱなしで、正直大丈夫か?と思う。
まあ、まだ心配はあるが、困ったときは、今までのことを思い出すとしよう。
いつも強気で、孤独を認めなかった俺達が、初めての困難にぶつかって砕けて泣いた、この一年を。
俺はお前を支えていたつもりで、本当は、支えられていた。
その小生意気な態度に、救われてたんだ。
そして。あの雪の日に、お前が背中を押してくれたおかげで、俺は大事なものを取り戻すことができた。
なぁ、彩花。
口には出せないけど、感謝してるんだ。
俺みたいな兄の世話を焼いてくれて、本当ににありがとう。
「ねえ、晴人ってばー。ねえねえねえ」
「うるせえな!お前らに負けずラブラブだよ!これでいいのか!」
しつこいので怒鳴ってやると、彩花は大きな目をまん丸くして、固まった。
次の瞬間、腹を抱えて笑いだす。
「うひゃひゃひゃひゃ!ラブラブだって!元ヤンがラブラブだって~!」
「っ……悪いのかよ!!」
騒がしい毎日だけど、こうして周りのみんなが笑ってくれていたらいい。
なあ、彩花。お前もそう思うだろ?
またなにかあったら、助け合おうぜ。
俺たちは双子。
いつだって、二つの魂は近くに寄り添っているんだから。
【END】