双子ですけどなにか?【修正終わりました】
【晴人】ヘアピンとメガネ
「晴人、あれは何だったの?」
帰ってくるなり、彩花が勝手に部屋に入ってきた。
結局立候補者全員が信任され、早速、球技大会の打ち合わせなんかがあったらしい。
「あれって?」
「とぼけないでよ。里美先輩の演説中に怒鳴ったじゃない。何であんな事したの?」
「あぁ……」
自分自身、何であんな事をしてしまったのかわからない。
ただ、舞台上の彼女に罵声が浴びせられて、頭に血が昇ってしまったんだ。
あぁ、またやっちまった。しかも、新川先輩の目の前で。
何やってんだ、俺は……。
「何でだろうな」
やっとそれだけ返すと、彩花はため息をついた。
「まぁ……でも、ありがとね」
「……はぁ?」
「あんた意外と、いいとこあるじゃん」
何年かぶりに、彩花が俺に礼を言った。
「やべぇ。隕石が降ってくる」
「こないよ!バカ!もういい!」
彩花は乱暴にドアを閉めて出ていった。