双子ですけどなにか?【修正終わりました】
……ああ、そうか。彩花のために怒鳴ったと思ってるのか。
誰がだよ、気持ち悪い。
でも、まぁ……良かったな、彩花。
これで彩花は毎日、新川先輩に会えるわけか。
俺は椅子にかけてあるブレザーに目を向けた。
胸ポケットには、新川先輩のヘアピンがまだ入っている。
だけど演説の時に見たら、前髪はぱっつんと切り揃えられていた。
「もう、必要ないのかもな……」
誰にも歓迎されない舞台でも、前を向いて、しっかり立っていた。
あの子は、頼りないように見えるけど、本当は強いんだろう。
「どうすっかな……」
こんな気持ちも、このまま会わずにいれば、やがて風化していくだろう。
それを待つか。それとも……。
彩花や新川先輩を見習って、勇気を出すか。
俺はまだ、決めかねていた。