双子ですけどなにか?【修正終わりました】


次の週。


朝起きて一階に降りると、既に彩花の姿はなかった。


ほう、張り切ってやがるな。


「ほら晴人遅れるよ!まったく……ちょっとは彩花を見習いなさいよ」


母親がそう言うのを聞こえないふりをして、パンをかじった。


しかし何だってアイツ、そんなにやる気なんだ?


はっ……もしやアイツ、生徒会に好きな奴がいるのか?


「何ぼんやりしてるの!早く行きなさい!」

「うっせぇな、わかってるよ!」


母親の声に追い出されるように家を出た。


学校までは、歩いて行ける距離だ。


校門が見えてきたところで、後から声をかけられた。


「よっ、はーると♪」

「おう、和樹か」


振り返ると、和樹の横に、ヒナがいた。


中学の時からの彩花の友達だ。


怖いもの知らずで、俺にも普通に話しかけてくる。


和樹といつの間に仲良くなったんだろう。


昔から愛想のいいやつらしいから、不思議じゃないが。


そういや彩花のやつ、中学の時、友達少なかったとか言ってたな。……俺のせいで。


少し罪悪感を感じたが、すぐに思い直した。


そもそも彩花のファンとやらに絡まれたのが始まりなんだから、俺のせいだけではないはずだ。

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