双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「あ、彩花!」

「あぁ?」

「ほんとだ、彩花ちゃんだ」


ヒナと和樹が見た方向に、確かに彩花がいる。


「おはようございまーす♪」


校門の前で、満面の笑みで登校した生徒全員に挨拶をしている彩花。


気持ちワリイ……。


「あ、彩花ちゃん、がんばってねー」


などと男子に声をかけられると、笑顔でそちらに手を振っていた。


アイドルにでもなったつもりかよ。


……待てよ。


あれ、生徒会の仕事だよな?


という事は、新川先輩もどこかにいるかもしれない。


期待して見渡すが、他には1年の役員が二人いるだけだった。


なんとなくがっかりして、校門に向かう。


彩花の体には『挨拶運動』と書かれたマヌケなたすきがかかっていた。


「おはようございまーす♪」


彩花の明るい声に、和樹とヒナが笑顔で近寄っていく。


おいおい。勘弁してくれよ。



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