双子ですけどなにか?【修正終わりました】


新川先輩が行ってしまうと、俺は、練習しているクラスメートのところへ戻った。


「なんだ、帰ったんじゃなかったの?
あの小さい子、副会長だろ?どういう関係?」


「……さぁな」


それだけ言うと、和樹がボールをパスしてきた。


「……よし、かかって来やがれ!」


俺が先攻、和樹がディフェンス。


ドリブルの感覚が戻るまでに、そう時間はかからなかった。

バスケなんて小学生以来だけど。


背が伸びた分、ゴールが近くに見える。

ボールに手を伸ばしてきた和樹を抜き、ランニングシュートを仕掛けた。


跳んだら、ポストに指がさわりそうだ。


その上に浮かせたボールは、従順にネットをくぐった。


「よっしゃー!」


声を上げたのは、最初はハラハラした顔で見ていたクラスメートだった。


いつの間にか応援されていたらしい。


「やるじゃん、晴人。だてにデカくないね」


「お前、手抜いただろ……」


和樹の方に振り返った時だった。


──パキ。


右足の下で音がした。


< 64 / 429 >

この作品をシェア

pagetop