双子ですけどなにか?【修正終わりました】


──さて、どうする。


帰宅早々、折れたヘアピンを金属用の接着剤でくっつけてみた。


けれど、髪を挟む部分まで癒着してしまい、結局使い物にならなくなってしまった。


練習の前に気づいて、返せば良かったのに……。


はぁ……。


浮かない気持ちのまま、球技大会本番が来てしまった。


バスケのメンバーは、すっかり俺と和樹に頼る気でいる。


しょうがない。


俺は、両耳のシルバーピアスをはずし、机の中に転がして、学校へ向かった。


中学の時は、この手のイベントはほとんどサボっていた。


ダルいし、俺がいない方がクラスの連中がのびのびできるのが、わかっていたから。


思えば俺も、彩花に負けず劣らずに、寂しい中学時代だった。


それを思えば、頼られるだけましなのかもしれない。


そう思い、何とか気持ちを切り替え、ジャージに着替えて和樹と共に体育館に入った。


5月と言えど、日差しは既に初夏のものに変わりつつあった。


おかげで体育館も、すこし蒸している気がする。

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