双子ですけどなにか?【修正終わりました】
一緒に着いた生徒会室は、鍵がかかっていた。
健先輩が鍵を開けると、中には当然、誰もいない。
私達は長机をはさんで向かいあわせに座り、早速テスト勉強を開始した。
うわぁ……。
健先輩の長い睫毛が、レンズの上から見えた。
意外と近いその距離に、心臓が高鳴る。
数学のわからない所を教えてもらってるのに、内容が入ってこない。
「……で、こうなるんだけど……わかった?」
「えっ、あ……」
「コラ、ちゃんと聞かないともう教えないよ?」
「ご、ごめんなさい!」
シャープペンの頭で額をつつかれて思わず謝ると、健先輩は苦笑いをした。
「……翔の事でも考えてた?」
意外なセリフが健先輩から出てびっくりしてしまう。
「アイツ、モテるからな……遊びに行きたかった?」
「まさか、あり得ません!!」
全力で否定すると、健先輩は面白そうに笑った。
からかわれてる……。
健先輩も、こういうところ、あるんだ。
「私はああいう人、苦手です」
「じゃあ、どんな人がタイプなの?」
初めて見た少し意地悪な目線にドキドキしながら、言葉を探した。
どんな気持ちで、それを聞くんだろう……。
「優しくして……頼れる人」
何とか言葉をしぼると、健先輩は意地悪な顔を私に近づけ、囁いた。