双子ですけどなにか?【修正終わりました】
「……僕みたいな?」
どきりとして、言葉を失う。
この人……ただの、優しい人じゃない。
黙ってしまうと、健先輩の目は、いつもの優しい目に戻った。
「冗談だよ。ちょっといじめすぎたかな」
「も、もう!先輩のバカ!」
……やだ。
すごくドキドキした。
今も、してる。
この人、本当は意地悪だ。
だけど……。
嫌いになれない。
むしろ、余計に、惹かれてしまう。
そのメガネの奥には、他にどんな表情を隠してるの――?
「健先輩は、どんな人がタイプなんですか?彼女いるんですか?」
「いないよ。タイプか……そうだな……可愛いくて優しい人がいいな」
意地悪しかえしてやりたいのに、健先輩はそんな無難な答えを余裕で返してくる。
だけど……『可愛いくて、優しい』それに当てはまる身近な人物を、あたしは知っている。
ちくりと胸が痛み、そのまま口を開いてしまった。
「……里美先輩みたいな?」