双子ですけどなにか?【修正終わりました】
健先輩は、少し、目を見開いた。
けど、すぐにいつもの優しい表情で、言葉を紡ぐ。
「里美は、妹みたいなもんだよ。もう少し、大人の魅力が欲しいかな」
「……あたしみたいな?」
「はは、確かに彩ちゃんの方が大人っぽいな」
勇気を出して聞いてみたけど、まんまとはぐらかされてしまった。
「ほら、勉強に集中。僕が教えるからには、学年で5番には入ってもらうよ」
「えぇーっ!?」
健先輩、私、大人っぽくなんかないよ。
すごく小さい時の事を思い出す。
晴人と私に平等に接してくれた、お母さんの若かった時の顔。
私は、晴人の目を盗んでは、お母さんに一人で甘えた。
とられたくない。私だけ、見てほしい。
私は今も、そんな子供みたいに思ってるよ。
ねぇ、健先輩。
いつかあなたを負かしてみたい。
私がもう少し大人になったら、振り向いてくれますか――?