双子ですけどなにか?【修正終わりました】
次の日、彩花はまた暗くなってから帰ってきた。
そして制服のまま、俺の部屋に乗り込んできた。
その顔はニヤニヤと嫌な笑いでゆがんでいる。
「何だよ今日は……。返事なら、まだしてねぇぞ」
「ふっふん。そりゃあできないよね。好きな子いるんだもん」
……何だ?背中がぞくぞくする。
「好きな子と違うタイプだもんねぇ、美奈子ちゃんは」
「はぁ?何言って……」
「ヘアピン、返してあげようか?……里美先輩に♪」
ザアッと、全身の血がひいた。
彩花は悪魔のような顔で、ニヤニヤ笑い続けている。
もう夏だというのに、背中に冷たい汗が次から次へと流れた。
言葉を出そうとしても、口は力無く金魚のようにパクパクするだけで、やっと声が出た時には、喉がカラカラだった。
「何で……っ」
「和樹くんに、あの日何か変わった事はないか聞いたの。
ふふん、さすが双子の兄。同じ年の、同じ生徒会役員に恋をするなんてねぇ」