君の、隣にいたい
始まりは体育館
「雅ー、いくよー!!」
「はーい!!」
高校3年生、春。
最上級生になった私たちは、
球技大会の練習に燃えていた。
私の出る種目はバレーボール。
運動神経は可もなく不可もない私だけど、
バレーボールは割と得意だったりする。
「うわっ、雅ゴメン!!」
「えっ?」
ただ私の悪い癖は、
すぐにボーッとするところ。
1回打ち返すと安心しちゃって、
すぐ返ってきたボールに反応できなかった。
私が中途半端に触ったボールは…、
「あちゃー、こりゃ取れないな」
「ゴメンー…」
「しょうがないよっ!!
雅だけが悪い訳じゃないしっ!!」
「けどさー…」
バスケットボールのゴールに挟まったボールは、
手を伸ばして届きそうにもない。