不良狼の一途な溺愛
「どうかした?俺の顔に何かついてる?」
不思議そうな表情を見せる比嘉原君に、慌てて首を横に振った。
「そ、そうじゃないの。名前、どこかで聞いたことがあるなぁ…って思ってたら、比嘉原君が、すごい人だったことを思い出したんだ。」
「俺が…?」
「うん。中学の時の全国模試、トップクラスの成績だったでしょ?それに、高校入試もトップだったみたいだし…。バリバリ勉強が出来るなんて尊敬しちゃうよ。」
「そんなことないよ、まだまだ上には上がいるからさ。でも、御苅さんが俺の名前を知ってくれてたのは光栄だな。」
比嘉原君はニコニコと爽やかに微笑んだ。
「あの、蓮君とは長い付き合い…って言ってたけど、すごく仲が良いの?」
「うーん、普通だよ。俺にとって、蓮は…幼なじみでもあり、恩人でもある…ってところかな。」
「お、恩人…?」
それって、どういうことなんだろう…?
前に、何かあったのかな…。
少し気になってしまった私。
聞いてみようと思って声を出そうとした瞬間、後ろから温かいものに包み込まれた。