不良狼の一途な溺愛
「おい、俺を差しおいて二人で仲良く話をしてるんじゃねぇよ。」
シッカリと胸元に回された蓮君の手。
頭上から降ってきた低い声に体がビクッと震えた。
な、何なのよ…。
蓮君が会話に参加してなかっただけでしょ…。
怒られる筋合いないんですけど…。
私はツーンと思いっきり口を尖らせた。
「御苅さん、その顔いいね…。蓮にも見せてあげれば?」
「えぇっ!」
ニヤリと笑う比嘉原君に、私はアタフタしてしまった。
こ、こんな表情…見せられるわけないじゃん!
比嘉原君ってば、何を言いだすんだか…。
「柚、今…どういう顔してんだよ。こっち向け。」
「この抱きしめられた状態じゃ、無理に決まってるでしょ!?」
「何とかして見せろ。」
「じゃあ、この手を離してよ。」
「………嫌だ。」
「は?」
そんなこと言ったら、話が先に進まないじゃないっ!
イライラのあまり、めいいっぱい頬を膨らませた。