不良狼の一途な溺愛
「なんだよ、それ。お前…まさか好きなヤツがいるのか?」
怒っているかのような低いトーンの声。
背筋が凍りつきそうになるほどゾクッとした。
「す、好きな人はいないよ。でも、それって今の話には関係ないでしょ…?私は…」
「大いに関係ある。まあ、居ねぇみたいだから安心したけど。」
「えっ、安心…?」
「と、とにかく!反論は受け付けねぇ。それと、柚…俺以外の男には心許したりすんじゃねぇぞ?」
「ちょっ、何言って…」
「いいな?」
「…………。」
よ、よくないっ!!
思いっきり叫びたかったけれど、そんなことを言える雰囲気じゃなくて、しぶしぶ言葉を飲み込んだ。
あぁ…また強引に話が展開していく。
蓮君からのとんでもない宣告に、私の疲れは一気に増してしまった。