不良狼の一途な溺愛
「柚、大丈夫か!?」
さすがに蓮君もビックリしたようで、慌ててしゃがむと私をジッと見つめてきた。
「だ、大丈夫。ちょっと気が抜けただけだから。」
「今まで緊張してたのか?」
「そりゃそうだよ。蓮君…怖いもん。」
あっ、いけないっ!
私としたことが、ついつい本音を漏らしてしまった!!
アタフタしながら両手で口を覆ったけれど、後の祭りだ。
これは…ヤバイかも。
“俺のどこが怖いんだよ!!”って、怒鳴られそう…。
ヒヤヒヤしていると、蓮君は私の手をギュッと握った。
「わ、悪かったな。今後は気をつける。」
「えっ…?」
「柚に怖がられないように気をつける。だから、俺の前で緊張したりすんなよ。」
ぎこちなく話す蓮君に私は目を見開いた。
そんな言葉が返ってくるなんて、思ってもみなかったのだ。
気をつける、かぁ…。
蓮君に対して怖さを感じてばかりだけれど、今のは聞いていて微笑ましく感じちゃった…。
少し笑みを零すと、突然…蓮君のお腹がグゥゥ〜っと鳴った。