不良狼の一途な溺愛
「ま、まだ何か用件があるの…?」
そんなにじっくりと見られると、なんか恥ずかしい。
言いたいことがあるなら、さっさと言ってよ…。
なんだか落ち着かなくてソワソワしていると、蓮君はスッと私の唇の辺りを指差した。
「柚、唇の端にチョコついてる。」
「えっ、ホント!?」
「ああ、ほんのちょっとだけど。」
「ひゃああ!」
は、恥ずかしいっ!!
自分の家ならともかく、蓮君に見られた上、しかも指摘までされちゃうなんてっ!!
ついているチョコを拭おうとして、ポケットからハンカチを取ろうとすると、その手を蓮君に掴まれた。
「俺が代わりにとってやる。」
「へ…?」
間の抜けた声を出した瞬間、蓮君の顔が一気に近づいてきて、私の唇の端に温かいものが触れた。