不良狼の一途な溺愛
「紫堂 蓮。校内だけじゃなく、他校の生徒からも恐れられている最強の不良だよ!!顔は見たことなくても、名前は誰もが聞いたことがある…って言われるぐらいスゴい人だよ。」
「あー…」
言われてみれば、そんなような名前…聞いたことがある気がする…。
病弱どころか、ある意味…かなりの有名人じゃないか…。
「私、入学式の翌日に…この教室に来た紫堂君を見たの!赤いメッシュの入った金髪で長身なんだけど、目鼻立ちが整っていて、すっごくカッコいいのよ〜!」
「へぇ…。」
「あまりのイケメンっぷりにクラスの女子から歓声があがったぐらいなんだから!」
「そ、そうなんだ…。ふーん…。」
熱く話し始めた彩織に、適当な相づちを打った。
紫堂君のこと、そんなに詳しく聞いてもね…。
特に興味もないし、これから先…関わることがあるとも思えない。
だって、住む世界が違うもん…。
そんなことを淡々と考えていると、教室に風間先生が入って来た。