不良狼の一途な溺愛

「ごご、ごめんね!支度に手間取っていて、来るの遅くなっちゃったの…。」


「…………。」


「11時って言われてたのに、本当にごめんなさいっ!」


「柚、もういい。」


低い声に、ビクッと体が震えた。


かなり怒ってるみたい…。


体が小刻みに震える。


蓮君の表情をまともに見れなくて、頑なに俯いていると、腕を引っ張られて抱きしめられた。



「きゃっ!」


ど、どうして??


突然の行動に戸惑っていると、蓮君はポンポンと私の頭を撫でた。


「良かった…。」


「えっ…?」


「何か変なトラブルにでも巻き込まれたんじゃねぇか…って心配してたけど、それなら良かった。」


う、うそ……。


怒ってたんじゃなくて、心配してくれてたの…?


意外な言葉に驚いてしまった。



< 124 / 364 >

この作品をシェア

pagetop