不良狼の一途な溺愛
「ごご、ごめんね!支度に手間取っていて、来るの遅くなっちゃったの…。」
「…………。」
「11時って言われてたのに、本当にごめんなさいっ!」
「柚、もういい。」
低い声に、ビクッと体が震えた。
かなり怒ってるみたい…。
体が小刻みに震える。
蓮君の表情をまともに見れなくて、頑なに俯いていると、腕を引っ張られて抱きしめられた。
「きゃっ!」
ど、どうして??
突然の行動に戸惑っていると、蓮君はポンポンと私の頭を撫でた。
「良かった…。」
「えっ…?」
「何か変なトラブルにでも巻き込まれたんじゃねぇか…って心配してたけど、それなら良かった。」
う、うそ……。
怒ってたんじゃなくて、心配してくれてたの…?
意外な言葉に驚いてしまった。