不良狼の一途な溺愛
「し、心配かけちゃって…ごめんね。」
そんな風に待っていてくれてたことを知り、ますます申し訳なさが募る。
何度も謝っていると、蓮君は人差し指を私の唇にあてた。
「そんなに謝るなって。今…ちゃんと柚がここに居るから、それでいい。」
ゆっくりと指を離した蓮君は、フッと優しい笑みを零した。
ドクンッ…
その瞬間、心臓が跳ねる。
この前、二人でマフィンを食べた時と、同じような感じだ。
もしや私…
また、蓮君の笑顔にときめいたの…?
ビックリして胸元に手を添えると、不意に周りのザワザワした雰囲気を感じた。
視線を周りに向けると、行き交う人たちが、みんなこちらを見ている。
中には、立ち止まって見ている女の子たちも目に映った。
そ、そう言えば…
私……蓮君に抱きしめられてるんだった…!!
自分の置かれてる状況を認識した途端、急激に恥ずかしさが込み上げてきた。