不良狼の一途な溺愛
「ふわぁぁぁっ!!蓮君、離して!!離れてっ!!」
ポカポカと蓮君の胸元を叩きながら、大きく身を捩る。
必死に訴えると、蓮君はゆっくり体を離した。
「せっかくだから、大人しく抱きしめられてる柚をもう少し堪能したかったんだけどな。」
「な、何言ってるの!?うぅ…、たくさんの人に見られて恥ずかしいよ…。」
穴があったら入りたい。
真っ赤になっているであろう頬を手で押さえた。
「いいんだよ…!見せつけてたんだし。」
「えっ、どうして!?」
なんか、そんなようなセリフ。
前に学校でも言ってたよね…?
「そ、そんなの決まってんだろ!柚が俺のものだ…っていうことを周りに示すためだよ!!」
「へ…?」
「私服の柚も可愛いし…、ほっ、他の男に目をつけられたりしたら俺が困るんだよ!」
少し声を荒げた蓮君は、照れくさそうに視線を逸らした。