不良狼の一途な溺愛
「お前…、今日の誘いが、どういうものだと思ってたわけ…?」
「えっと、蓮君に何か用事があって、それに付き合わされるのかな…って。例えば、一人じゃ出来ない作業のお手伝いとか…。」
「そ、そんなわけねぇだろ!」
思っていたことを素直に口にした途端、蓮君は焦った様子で言葉を発した。
「俺は……柚と一緒に居る時間を増やしたいと思ったんだよ。それで、二人で出掛けようと思った。がっ…学校で会うだけじゃ物足りねぇから…。」
「えっ……」
「とにかく、俺の手伝いとか…そんなんじゃねぇからな。」
グイッと私の手を引いて足早に歩きだした蓮君。
心なしか頬や耳の辺りが赤くなっている気がした。
もしや、かなり照れてる…?
そんな蓮君を見ていたら、私まで顔がカァッと熱くなってきてしまった。
こ、これって…
本当にデートなんだ…。
沙織の言ってた通りだよ…。
どど、どうしよう!
私、デートなんて今までしたことないっ!!
蓮君に握られた手を見ながら、頭も心もパニックになっていた。