不良狼の一途な溺愛
「お〜、御苅!まだ教室に居てくれて良かった…。」
私を見るなり、先生は安堵した表情へと変わった。
「な、何ですか…?」
また朝みたいな、とんでもない提案してくるわけじゃないよね…。
少し警戒して構えてしまった。
「実は…御苅が休んでいる間に、各授業で配られたプリント類が全部俺のところに来てるんだ…。だから、この後…職員室に取りに来てくれ!」
「は、はい…。」
「じゃ、待ってるからな〜!」
「えっ…先生!?」
ちょっと、先に行っちゃうの!?
私は慌ててノート類をカバンの中へと押し込んだ。
「彩織、ごめん。じゃあまた明日ね…。」
「うん、またね…。」
哀れみの表情でヒラヒラと手を振る彩織に手を振り返して、私は教室を飛び出した。