不良狼の一途な溺愛
「てめぇ、今…柚に何て言った?」
当事者の女の子は、突然…蓮君からムッとした声を掛けられ驚いたようだ。
なんて返事をしたらいいのか分からないらしく、困惑している。
シーンと静まりかえった女の子たち。
蓮君はチッと舌打ちをした。
「てめぇらに付き合ってる暇はねぇから退けよ。俺は……」
そこまで言ったところで、お店の入り口の方から、“キャーッ!!”という悲鳴が聞こえてきた。
「やっぱ、さっき見掛けたのは幻覚なんかじゃなかったわ〜!」
「休日も紫堂君に会えて感激っ!」
またしても数人の女の子たちが、お店に入ってきて蓮君の周りに駆け寄る。
それから間もなくして、騒ぎを聞きつけたらしい女の子たちが何人もやってくる始末。
蓮君の周りを、女の子たちがビッシリと囲んでしまった。