不良狼の一途な溺愛
相変わらず、不良なのに人気あるな…蓮君。
学校のみならず、プライベートも女の子たちに囲まれてるんだもん…。
なんだか、芸能人を見てるみたいだわ…。
完全に蚊帳の外へと追いやられてしまった私は、顔をピクピクと引きつらせた。
さてと、これからどうしようかな…。
女の子たちの熱気や迫力が凄まじくて、近付ける雰囲気じゃない。
まして、早崎さんたちみたいにズケズケと女の子たちの輪を割いて、蓮君に声を掛けることなんか出来るわけがない。
そんなことしたら、女の子たちからどんな反応が返ってくることやら…。
考えただけで身震いしてしまう。
うーん……。
ここはひとまず、ほとぼりが冷めるまで、暫くどこかで時間を潰そう。
近くに書店があるから、そこへ本を見に行こうかな…。
そう決めた私はチラッと蓮君の方に視線を向けた。
大変だと思うけど、頑張ってね…。
女の子たちのパワーに圧倒され、俯き加減で溜め息を零している蓮君に心の中で声を掛けた後、私はこっそりとお店を出た。