不良狼の一途な溺愛
そこに立っていたのは、怒りのオーラを身に纏った蓮君。
男の人たちを冷たい瞳で睨みつけていた。
う、うそ…。
さっきまで、女の子たちに囲まれてたのに…。
ビックリして固まっていると、蓮君は私の手首を掴んでいる男の人に鋭い眼光を向けた。
「いつまでも俺の女に触れてるんじゃねぇよ。離せ。」
そう言うなり、蓮君は男の人の腕をガシッと掴んで強引に引き離してしまった。
こ、怖い……。
蓮君の怒りに満ちた言葉や行動に、体が小刻みに震えてしまった。
「この男…もしかして紫堂 蓮じゃねぇか?」
「ああ。この赤メッシュの入った金髪…間違いないって!じゃあ、この子…紫堂の女!?」
ヒソヒソと小声で話す男の人たち。
さっきまで私に見せていた笑みは消え、一気に怯えたような表情へと変わっていた。