不良狼の一途な溺愛
「てめぇら、さっさと失せろ。」
威圧的な低い声にゾクッと寒気が走る。
男の人たちは、みるみるうちに顔が青ざめていった。
「す、すみませんでしたっ!」
「もう二度とこんなことしませんからっ!!」
「それでは失礼しますっ!!」
3人はオロオロしながら言葉を発すると、逃げるように去っていってしまった。
蓮君が来てくれなかったら、今頃…男の人たちに付き合うハメになってた…。
よ、良かった…。
でも、男の人をあれだけビビらせるなんて…すごいな。
蓮君に対して心強さを感じる一方、不良としての恐ろしさも改めて実感した私。
ポカンと突っ立っていると、不意に手を握られた。
「柚、ちょっと来い。」
「えっ!?」
イラついた様子の蓮君に手を引かれて、私はソワソワと落ち着かない気持ちで歩き出した。